感音性難聴と言葉の理解について
「難聴も認知症の危険因子」 厚生労働省発表(2015年1月)
難聴になると認知症のリスクが高くなる‥ そんなショッキングな報告が厚生労働省から発表されました。
新オレンジプランでは 難聴が認知症の発症の要因の一つとしています。
難聴の早期診断、早期発見、そして補聴器により聴覚補償は、認知症の発症予防につながる可能性があります。
音は耳で聞いているようですが 実は 耳は脳へ音を伝えているだけで 音として認識しているのは脳です。
 感音性難聴の原因は 内耳の蝸牛内の有毛細胞の減少等ですが その結果 脳への音の情報が少なくなり
 その状態が長く続く間に 脳の音を認識する力も弱まっていると思われます。



感音性難聴の方に 補聴器を装用してもらうと  音は聞こえるようになるのですが 言葉の内容がはっきりしないと
 言われる方が 多いです。 特に 言葉の要素である子音は 母音の前にほんの一瞬 付いている短い音なので
 内耳から脳にかけて 聞く力の弱まっている 感音性難聴の方には 聞き分けることが難しいためです。

感音性難聴では 高音が聞こえにくく なりますが 高音が聞こえないと 子音の聞き分けが難しくなり
 ガ行、ザ行、バ行 など濁音が ラ行に聴こえたり サ行と カ行の区別がつきにくくなったりします。 
                       サトウさんが カトウさんに聞こえたりします。


補聴器は 高音が聞こえていない方には 聞こえていない高音を大きく増幅したり 補聴器装用者の聴力に合わせて 
 調整した音を脳に届けるのですが 長い間 高音を聞いていなかった人にとって 急に高音が聞こえるようになっても
 久しぶりに聞く音でもあるし 言葉の内容まで 脳で 聞き分けるのが難しかったりします。
言葉の内容がはっきりしないのでは 補聴器を装用しても 効果がなく あまり意味が無いようにも思われます。
 しかし、補聴器を装用しなければ 音自体が聞こえないので 全く 会話が出来ない状態です。
 感音性難聴で 語音明瞭度が低い方でも 補聴器を装用した方が 会話がスムーズになります。
補聴器を装用する方は 完璧に聞こえるとは限らない ことを理解した上で 補聴器を装用することが大切です。
 毎日、何時間か使用して 補聴器から聞こえる音に慣れてもらい 脳にも慣れてもらうのが良いと思います。
 また 聞こえにくくなったと感じたら 早めに 補聴器を使い始めた方が  言葉の内容がわかることが多いです。
 ※聞こえにくくなって 補聴器を装用する方と しない方では 脳の老化にも 違いがあるようです。
  音の情報を脳により多く脳に伝えることで 脳が活性化します
家族や周りの方も 高額な 補聴器を購入したのに あまり聞こえていないみたいだと思われる方が多いようですが
 補聴器を装用しても 健聴者のように完璧に聞こえるようになるわけではないことを理解して 接することが大切です。
 補聴器を装用している方に話しかける時は  正面から ゆっくり はっきり 話しかけるようにしていただくと
 かなり 会話が出来るようになります。    ※後ろから話しかけたり 早口で話すと 聞き取りにくいです。 


当店では 聴力測定時に どれくらい 言葉が聞き分けることができるかの目安になる語音明瞭度測定を 
 行っています。 気道聴力測定の結果 対象者にヘッドホンから十分聞こえる大きさの音で 「ア」とか「カ」とか
 言葉を聞いてもらい どれくらい聞き分けることが出来たか その正解率を測定します。
 語音明瞭度測定の正解率で 補聴器を使用した時にどれくらい 言葉が聴きやすいかの目安になります。
 正解率が高ければ かなり良い補聴器の装用効果が期待できます。 
 正解率が60%くらい だとしても 実際の会話は 単音ではなく つながった意味のある言葉なので
 「りんご」とか「ひこーき」とか 意味のある言葉の聞き取りだと 正解率が90%くらいになったりするので
 補聴器を装用することで会話がしやすくなると思います。
 当店では語音明瞭度測定の結果に基いて 補聴器との付き合い方のヒントをご紹介させていただいております。





     
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